本文へスキップ
ピックルボールMAP 施設検索
gear

インドアボールとアウトドアボールの違い|穴の数で何が変わるのか

公開日: 2026-08-21

ピックルボールのボールには「インドア用」と「アウトドア用」があります。見た目でわかる違いは、穴の大きさと数です。

ただし、多くの解説記事が書いていない重要な事実があります。公式ルールブックは、屋内用と屋外用を区別していません。

承認されたすべてのボールは、屋内・屋外いずれのプレーにも使用できる。(2026年版USA Pickleball公式ルールブック 規則3.C.1)

つまり「インドア用/アウトドア用」は規則上の区分ではなく、慣習上の使い分けです。この記事では、規格で決まっていることと、慣習で決まっていることを切り分けて説明します。

30秒でわかる違い

項目インドア用アウトドア用
穴の大きさ大きい小さい
穴の数少ない(26個前後が一般的)多い(40個前後が一般的)
重さ軽めの傾向重めの傾向
硬さ柔らかめの傾向硬めの傾向
飛び方ゆっくり。減速しやすい速い。風に強い
ラリー続きやすい展開が速い
耐久性割れにくい傾向割れやすい傾向
打球音やや静かやや大きい

公式規格で定められているのは、この表のうち「穴の数(26〜40個)」の範囲だけです。それ以外は市販品の一般的な傾向です。

公式規格|すべてのボールに共通するルール

まず、承認球が満たすべき条件を確認します。出典は USA Pickleball Equipment Standards Manual(Rev 3.0 / 2025年1月)2026年版公式ルールブックです。

項目規格出典
直径2.87〜2.97インチ(7.29〜7.54cm)。真円からのずれは±0.020インチ(0.51mm)以内ESM 2.D.3
重さ0.78〜0.935オンス(22.1〜26.5g)ESM 2.D.4
穴の数26個以上40個以下の円形の穴ESM 2.D.8
バウンド78インチ(198.1cm)の高さから花崗岩定盤に落として、30〜34インチ(76.2〜86.4cm) 跳ねることESM 2.D.5
圧縮ASTM F1888-09に基づく試験で 43 LBF未満ESM 2.D.6
硬度デュロメーターDで40〜50。2025年版で適合要件から外れ、参考データ扱いにESM 2.D.7
単一色(識別マークを除く)。色そのものの指定はなし規則3.C.3
ブランド表示メーカー名またはロゴの印刷・型押しが必要規則3.C.4
表面耐久性のある材料で、滑らかで、テクスチャ加工がないこと。継ぎ目のわずかな稜線は、飛行特性に大きく影響しない限り可規則3.C.5

バウンド試験の条件は細かく指定されています。気温は華氏70度 ±5度、定盤は12インチ×12インチ×4インチ以上の花崗岩(ESM 2.D.5)。これほど条件を固定するのは、温度でプラスチックの反発が変わるためです。

実務上の意味: 冬の寒い体育館と夏の屋外では、同じボールでも弾み方が変わります。「今日はやけに弾まない」という感覚は、気のせいではありません。

「26個 vs 40個」の正体

公式ルールブックの Figure 3-2 には、次の注記が添えられています。

穴の大きいボールは慣習的に屋内プレーで使われる(写真左)。穴の小さいボールは慣習的に屋外プレーで使われる(写真右)。(規則3.C 図3-2の注記)

「customarily(慣習的に)」という語がポイントです。規則ではなく、業界と現場の慣行として説明されています。

規格上の穴の数は 26個以上40個以下(ESM 2.D.8)。この幅の中で、

  • 屋内向け製品は、少なく大きい穴(26個前後)
  • 屋外向け製品は、多く小さい穴(40個前後)

に設計されているのが実態です。26個・40個という具体的な数値は、規格の上下限がそのまま製品設計に採用されていると理解するのが正確です。

穴の大きさで何が変わるのか

穴が大きい(インドア用)穴が小さい(アウトドア用)
空気抵抗を受けやすい空気抵抗を受けにくい
減速しやすい速度が落ちにくい
風に流されやすい風に強い
軌道が読みやすい軌道が速く鋭い

屋外で風が吹くと、穴の大きいボールは制御不能になります。 逆に、屋内で穴の小さい速いボールを使うと、初心者にはラリーが続きません。慣習には理由があります。

使い分けの判断基準

**基本は「その施設で使われているボールに合わせる」**です。自分だけ違うボールを持ち込む意味はありません。

場所一般的に使われるボール
体育館・屋内コートインドア用(穴が大きい)
屋外専用コートアウトドア用(穴が小さい)
テニスコート転用(屋外)アウトドア用
屋根付き屋外コート(風あり)アウトドア用
体育館で窓を全開(風あり)状況次第。風が入るならアウトドア用も検討

**判断軸は「屋内か屋外か」ではなく「風があるかどうか」**と考えるとわかりやすくなります。

👉 屋内コートがある施設を探す 👉 屋外コートがある施設を探す

初心者はインドア用が有利

穴の大きいインドア用ボールは減速しやすく、軌道が読みやすいため、ラリーが続きやすくなります。初めての1回を屋内で始めるほうが達成感を得やすいのは、このボールの性質も理由の一つです。

初回の進め方は最初の1回を体験するまでの完全手順にまとめました。

買うときに見るところ

見るところ判断
「USA Pickleball Approved」の表示承認球かどうか。競技用はパッケージにシールまたはテキスト表記が必要(ESM 2.D.8)
屋内用/屋外用の表記メーカーが用途を明記している
穴の大きさ表記がなければ、穴の大きさで判断できる
単一色であること(規則3.C.3)。コートとの見やすさで選ぶ
入り数3個入り・6個入りが一般的

色は自由。ただしウェアとの関係に注意

公式ルールブックはボールの色を指定していません(規則3.C.3は「単一色であること」のみ)。黄色・緑・オレンジ・白などが流通しています。

一方で、Section 1「Underlying Principles(基本原則)」には次の記載があります。

プレーヤーは、ボールの色に近い服装を避ける

黄色いボールを使うなら、全身黄色のウェアは避ける、ということです。持ち物と服装は持ち物・服装チェックリストにまとめています。

ボールは割れます

ピックルボールのボールは消耗品です。特にアウトドア用は硬く、寒い日には割れやすくなります。

割れたときのルール(規則10.G)

状況処理規則
ラリー中に割れた・ひびが入ったラリーは最後まで続ける10.G
全員が「割れが結果に影響した」と同意リプレイ(やり直し)10.G.1
全員が同意しないラリーの結果は有効10.G.1
柔らかくなった・劣化した前のラリーの結果は有効。やり直しにはならない10.G.2
ボールの交換全員が同意すれば交換できる10.G

「割れた」と「柔らかくなった」で扱いが違います。 割れは全員合意でやり直せますが、劣化はやり直せません。

予備を持つ

ボールは3個以上持っておくのが実用的です。1個割れただけでプレーが止まると、限られたコート時間が無駄になります。

よくある質問

Q. インドア用を屋外で使ってもルール違反ですか?

A. 違反ではありません。規則3.C.1が「承認されたすべてのボールは屋内・屋外いずれのプレーにも使用できる」と明記しています。ただし風があると実用的ではありません

Q. 大会ではどちらを使いますか?

A. 大会ディレクターが使用球を選びます(ESM 2.D.2)。公認大会で使えるのは、USA Pickleballの承認球リストに掲載されたものだけです。

Q. 穴の数を数えれば屋内用か屋外用かわかりますか?

A. おおよそわかります。ただし規格は26〜40個の幅があり、その中間の製品も存在します。メーカーの用途表記を優先してください。

Q. テニスボールや他の穴あきボールで代用できますか?

A. できません。直径7.29〜7.54cm、重さ22.1〜26.5g、バウンド76.2〜86.4cmという規格(ESM 2.D.3〜2.D.5)を満たす必要があります。

Q. 硬度の規定が「参考データのみ」になったのはなぜですか?

A. Equipment Standards Manual の 2.D.7 に「RECORDED FOR COROLLARY DATA ONLY, this is no longer a compliance requirement(付随データとして記録するのみ。適合要件ではなくなった)」と明記されています。理由は同マニュアルには記載されていません。圧縮試験(2.D.6)が適合判定として残っています。

Q. どのくらいで買い替えますか?

A. 使用頻度と気温によって大きく変わるため、一概には言えません。割れる、あるいは明らかに柔らかくなったら交換が基本です(規則10.G.2の扱いからも、劣化球はやり直しの対象にならないことがわかります)。

Q. ボールも施設で借りられますか?

A. 体験会や専用コートでは、多くの場合ボールも用意されています。公共体育館を自分で借りる場合は持参が必要です。

👉 用具をレンタルできる施設を探す

まとめ

  • 公式ルール上、屋内用と屋外用の区別はない(規則3.C.1)
  • 規格は 直径7.29〜7.54cm/重さ22.1〜26.5g/穴26〜40個(ESM 2.D.3、2.D.4、2.D.8)
  • 「穴が大きい=屋内用、小さい=屋外用」は慣習(規則3.C 図3-2の注記)
  • 判断軸は屋内か屋外かではなく、風があるかどうか
  • 初心者は穴の大きいインドア用のほうがラリーが続きやすい
  • 割れたときは全員合意でやり直せる。劣化はやり直せない(規則10.G.1、10.G.2)
  • 予備を3個以上持つ

用具全体は道具の選び方ガイド、パドルはパドルの選び方をご覧ください。

👉 全国のピックルボール施設を探す


参考文献

いずれも2026年8月21日に内容を確認しています。

注記: 「インドア用は26個前後、アウトドア用は40個前後」「インドア用は軽く柔らかい傾向」といった記述は、公式規格ではなく市販製品の一般的な傾向です。公式に定められているのは26〜40個という範囲のみです。製品固有の仕様は各メーカーの情報をご確認ください。

近くの施設をさがす

全国のピックルボール施設を都道府県・条件から検索できます。

施設をさがす

← ガイド一覧にもどる